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第2-2話彼との出会い

 院長が未だ話を終えぬ中、私はその少年の元へと歩み寄る。  まさか私近づくとは思っていなかったのだろう。彼は目を丸くし、全身を硬直させて私を見上げる。  近くで見れば見るほど、あまりに似すぎていて気が狂いそうだ。  しかしどれだけ似ていたとしても王ではない。身寄りのない、無力で哀れな子どもだ。  つまり私が望めば、彼を意のままにすることが――。 「初めまして。私が王立の孤児院の建立を進めて参りました、宰相エケミルです」 「は、初め、まして……」 「貴方の眼差しは他の者と違い、何か不満があるように見えましたが……どうか理由を私に教えて下さいませんか? 至らぬ点があれば、すぐに改善したいのです。貴方がたは国の宝なのですから」  嘘は言っていない。普段から我が王とともに認識を同じにしていること。  本心からの敬いは大半の者の心を掴む。よほど捻くれた者でなければ、自分を大切にしてくれているのだと思い喜ばれる。ましてや子ども。素直な心はよく反応してくれる。  他の子どもたちが歓喜と感嘆の声を漏らす。  そして目前の彼は動かぬまま。だが、その瞳は明らかにきらめきを増し、私に希望を見出しているようだった。

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