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第2-3話彼との出会い

「部屋を用意しますから、そこで色々と話を聞かせて下さい。他の者に無作法だと叱られぬよう、私だけが耳を傾けますから……ね?」 「……は、はい」  ぎこちなく頷いた彼の背に手を回し、私はともに来るよう背中を押していく。  院長に目配せすると彼は慌ただしく動き、人を呼んで準備をし始める。  きっと自分で思っていた以上に大事になったと不安を覚えているのだろう。視線を彼に向けると、青ざめた顔がそこにはあった。  なんとも初々しい。王にもそんな時はあったことを思い出し、珍しく自分の口元が緩んでいることに気づく。 「怖がらなくていいですよ。私はただ、貴方と仲良くなりたいだけですから」  彼だけに聞こえるよう小声で告げれば、血の気が引いていた頬に赤みがさす。  腰を屈めて小さな手を握ると、すぐに燃えそうなほど熱くなり、じっとりと汗ばむ感触が伝わってくる。  ――逃がさない。  部屋の用意ができるまでの間、私は彼の手を握り続ける。  ギュッ、と。私の執着へ応えるように、彼の手がしっかりと握り返してくれた。

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