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第14-2話●狂気に染まる
彼は動きを止めなかった。
何も言わず、むしろ私の行為を助長させるように腰の揺れを速め、間もなく果てそうな私のものを扱いていく。
体の奥からせり上がってくるものを放つ間際、私は彼の顔を見る。
若き日の陛下が、私を組み敷きながら愉悦の笑みを浮かべている――欲情の証とともに、鼓動が大きく弾けた。
「ハァ、っ、ぁ、ぅぅ……アッ、ぁぁぁぁ――……ッッ」
全身が縮むようにギュッと力み、すべてが解放される。
――パタパタ、と私の放った熱情の成れの果てが、私の腹部と彼の手を汚す。
彼は熱の冷めぬ目で手の汚れを見つめ、おもむろに舐めて口にする。
私のすべてを取り込もうとしているようで、絶頂の余韻がより甘く、深く私を侵した。
繋がったまま私の腹部の汚れも手で拭い取って舐め終えた彼は、軽く舌なめずりをする。
そして私に顔を近づけ、もどかしそうな顔で訴えてくる。
「好きにして、いいのですよね……? 貴方が、まだ足りない……」
なんて貪欲な――思わず私は笑みを浮かべていた。
「ええ、もちろん……欲しいだけ、どうぞ――」
許しの言葉は最後まで口にできず、彼の唇に奪われる。
互いに絡まる舌が、奥まで埋まった情欲の繋がりが、より熱を帯びた睦み合いを繰り返す。
何も知らない彼は、あまりに純粋に、私の狂気に染まっていく。
もう真っ当な営みを送ることはできないだろう。それが容易に想像できて、私の手に堕ちた手応えがさらに私を満たした。
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