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第22-2話●※変わり果てても

 寝台へ向かう時すら惜しむように、始まりは部屋へ入った瞬間から立ったまま営むことが常となっていた。  荒々しく愛撫しながら服を脱がし、背後から俺の醜悪な肉塊を捻じ込み、根元までしっかりと呑ませてからエケミル様を穿つ。  耳へ、うなじへとかじりつきながら攻め立てれば、すぐにエケミル様の中は快楽に脈打ち、俺の体と心を甘く蕩かせてしまう。  なんてたまらない。こんなにもエケミル様が俺を求めてくれるなんて。  あまりに出来すぎた夢だと思いたくなるが、絶え間なく味わい続ける淫靡な感触が、現実なのだと俺に告げてくる。  中で何度も絶頂を迎え、エケミル様が腕や膝に力を入れられなくなった頃に、ようやく俺が抱き上げて寝台へ連れて行き、情事を即座に再開させる。  少しでも長く俺と交わりたいと、日を跨いでの交わりを終えて眠りにつく間際にエケミル様が望みを溢したことがあった。今は俺が欲しくてたまらない――そんなことを言われて、夢中にならないはずがなかった。  しかも情事を再開したあの日から、エケミル様は行為の最中に先王陛下の名を呼ぶことがなくなった。

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