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第22-5話●×変わり果てても
あまりに浮かれ過ぎてしまい、自分が盲目になっていたと気づいたのは、この淫らな生活を半年ほど送った後だった。
護衛のためにエケミル様を常に見ていたのだが、先王様の時と決定的に違うことがあると、新年を過ぎてからようやく気付いた。
以前までは必ず昼以降は先王陛下にお会いし、執務の話をされていた。
しかし俺との関係を再開し始めてから、新王マクウス陛下に会い、向き合って話すことを一切されていない。
まだ幼いとはいえ、新王に政を教えるためにも語らいは必要だということは、王侯貴族ではない俺でも分かる。
だが宰相という権力を強めたがっているかといえば、そうではない。
以前よりも執務を他の者に任せ、余った時間をすべて俺との享楽につぎ込んでいる。
いったいエケミル様は何を目指されているのだろうか?
不思議に思っていたが、俺からは何も聞かなかった。
そして俺はエケミル様と枕をともにした夜、本人の口から教えられた。
「マクウス様が原因不明の病に倒れられたそうですよ。お可哀想に……」
何度も交わり、寝台の上で脱力しながら仰向いていたエケミル様が、唐突に呟かれた言葉。いつもの睦言とは違う色で、俺が様子をうかがっていると、
「彼は利発ですからね。伸びる前に毒で弱らせるよう指示しました」
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