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第23-1話若王が初めて求めた男

   ◇ ◇ ◇  時は流れて、私は宰相の執務が滞らぬ程度に行いながら、水面下では他国と繋がり、この国を亡きものにした後、彼らにすべてを明け渡す準備を進めていった。  誰にも気づかれぬよう慎重に、ゆっくりと国を売っていく。  私と先王陛下で豊かにしてきたものを、この手で壊す――心が麻痺してしまった私にとって、それは快感を覚えるほどの秘め事だった。  しかし刺激は慣れてしまうもの。  あまりに順調に進んでいくことに退屈すら覚えるようになってしまった頃、この国一番の将軍であるディルワムが、ひとりの敵将を倒し、捕虜として捕らえた。  北方の国の将軍、イメルド。  彼は猛火の獅子と呼ばれ、恐れられていた猛者だった。  手強かった獲物を見せびらかしたくてたまらないディルワムが、戦果を報告する際、王宮の広間に縄で縛られたイメルドを引っ張り出してきた時。  私は気づいてしまった。  形式だけのために玉座へ腰かけていたマクウス陛下が、幼く大きな目を輝かせ、イメルドを見ていたことを。  強き者への憧れもあるだろう。しかし、それ以外の色が混じっていたことを、私は見逃さなかった。  イメルドを牢に戻し、ディルワムが戦に勝利した褒美に彼を手元に置きたいと言い出したが、か弱くもはっきりとした声でマクウス陛下は告げた。

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