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第27-1話※予感

   ◆ ◆ ◆  俺が無様な失態を晒した日から、エケミル様の様子が変わられた。  今までよりも機嫌が良いというか、楽しげというか……とにかく活き活きとしていた。  元敵将で陛下に囲われたイメルドという異邦人。彼に惹かれ、手元に引き抜く日を心待ちにしているのかと、俺に焦りが生まれる。  だが、それは閨の中でエケミル様から違うと言われた。 「フフ、妬かないで下さい……私が体を許すのは、もう貴方だけですから」  いつものように俺と何度も交わり、疲れを覚えたエケミル様が、体を横たえたまま告げる。 「イメルドは誇りに生きる武人。すでに陛下へ忠誠を誓っている以上、何があろうとも志を変えることはない……私の意に添わぬなら、惜しいですが陛下とともに堕ちてもらうだけです」  エケミル様の声が弾む。  俺に抱かれている最中なら、快楽に流されるまま声を弾ませることはある。平時にここまで分かりやすく楽しげな様子を見せることは今までなかった。 「これからどうなさるのですか?」 「お二人にはもっと親密になって頂きます。私たちのように体を繋げて、引き返すことができない間柄に……陛下はすでにイメルドへ色を覚えているようですから、そうなるのも時間の問題でしょう」

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