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第27-2話※予感
「そう、なのですか? しかしイメルドという武人は、エケミル様の誘いに一切乗らぬほどの者。誇り高き獅子が王に手を出すなど――」
「手を出される側ですよ、イメルドは。主君に手を出すぐらいなら死を選ぶぐらいの人でしょうから。となれば必然的に陛下が手を出すことになりますから」
……あの若く頼りなさげな若王が、武の塊のようなイメルドを?
年齢も体格も大きく違う二人を思い浮かべるが、エケミル様が言われた関係を想像することができず、俺は顔をしかめてしまう。
隣からエケミル様が愉快げに吹き出す声がした。
「既にそうなるよう手配はしましたし、実際にそうなりつつあります……野心ある娘たちを後宮に送り込み、陛下が浅ましい女人たちに追い詰められ、イメルドを求める――夜の教育係の選定が難航しているらしいので、彼がその役目を引き受けざるを得なくなるでしょうから」
夜の教育係……子を成すという王の責務を果たすための手ほどきを教える役目。
本来なら経験豊富な婦人が選ばれるらしいが、無骨な男がその役目を担うなどあり得るのだろうか?
あまりに現実離れした内容に、俺は内心首を傾げ続ける。
もしこれが他の者の言葉ならば、悪ふざけの妄想だと決めつけている。だが他ならぬエケミル様の言葉。そう狙って仕向けたというのなら、実際にそうなるのだろう。
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