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第27-3話※予感

 不意にエケミル様が体を起こす。喉が渇いたのだろうかと俺も起き上がり、寝台の隣にある小さな机に置かれた水差しを透明な杯へ注いでいると、 「飲ませてくれますか? 貴方の唇で……」  妖しく微笑みながらそう望まれて、俺は息を飲んでから水を口に含む。  吸い寄せられるようにエケミル様に唇を重ね、水を少しずつ渡していく。口内で生温くなったであろうものをしっかりと飲まれる気配に、喜んでもらえていることを知る。  これがエケミル様なりの甘えだと気づいたのは、つい最近。  今まで築き上げたものが壊れた以降、こういった甘えが出やすくなった。  己の欲求へ素直になったエケミル様。  口の中の水をすべて飲ませた後、唇を離してしまうことが名残惜しくて舌を差し入れると、エケミル様は快く歓迎するように応えてくれる。  まだ先ほどの性交の余韻が色濃く残る体。舌の睦み合いにエケミル様が甘く唸り、俺の首に腕を巻いて身を寄せる。  俺もエケミル様の体へ手を回し、肌を滑らせながら欲情を煽っていく。  再び蜜事の快楽を求めるエケミル様に応えてその身を押し倒し、深い口づけで落ち着いてきたはずの理性を蕩かせる。  一度顔を上げて眼下の光景を眺めた瞬間、俺の頭によぎるものがあった。

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