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第27-4話●※予感

 エケミル様は俺が望んだ通り、我慢しなくなった。  自分のの望みのままに生きられる姿は、明らかに以前よりも活き活きとして、今の立場も生きていることも楽しんでいるように見える。  欲に素直なエケミル様――だが、この方が望んでいるのは破滅。  己が滅んでもいいと思っているから大胆な手が打てる。  ……こんなにも甘く、純粋なままのこの方を失う日がいつか訪れる。  もし陛下とイメルドが契りを交わし、情を向け合うようになるとすれば、生きている限り現状をどうにかしようと必死にもがくだろう。  どちらかの命を奪い、完全に繋がりを絶たなければ。  今はエケミル様の権力に敵わぬとしても、次第に力をつけ、彼らはこの国を奪い返そうとしてくるはず。  繋がることでどれだけ強くなるかも、弱くなるかも、俺は知っている。  このまま彼らを放置すれば、エケミル様は完全に滅んでしまう。  ――いくら貴方の望みが滅びであったとしても、俺は貴方に生きて欲しい。  今すぐ口に出して訴えたい衝動を覚えるが、そうすればエケミル様は俺を切る。望みに沿わぬ者を近くに置くことはしないお方だ。  だから俺は体を繋げ、エケミル様を必死に求め続ける。  手放しがたい快楽を与えて、己の命までも滅ぼすことを躊躇うようになってくれたなら――。  俺はエケミル様の首筋を舐りながら、解れたままの後孔へ軟膏を塗り込み、最奥まで俺の昂りを捻じ込む。  少し腰を揺らすだけでエケミル様は艶めかしく身じろぎ、甘い絶頂を繰り返し始める。  どうかもっと淫らになって欲しい。死すら惜しむほどに。  己を滅ぼさないために、邪魔者を排せよと命じてくれる日を望みながら、俺はエケミル様を享楽の底へと沈めていった。

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