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第29-1話変えられぬ道
イメルドは後宮を出て、ディルワムが宣言した通りに彼の副官となった。
自分の邸宅に住まわせながら副官としての業務を与えることで、イメルドが誰の情夫なのかということを周囲に思わせることができた。
ディルワムが強き者を好み、何人もの男を抱き壊したという話は王宮でも有名だった。それにイメルドを捕らえた時、褒美として自分のものにしたいと言い切っていた。
この状況は周りから見れば当たり前の展開であり、それだけディルワムが陛下と深く関わり合っているのだという証明にもなった。
未だに私の優勢は変わらないが、ディルワムにつく者――ひいてはマクウス陛下を選ぶ者――が増え、私が政をすべて思うままに決めることが難しくなる。
ディルワム自身は政には直接関わろうとはしない。彼はどこまでいっても武人のまま。
政に口を出すようになったのは、他ならぬマクウス陛下。
今まで私の提案に頷くのみだった陛下が、自分の意見を口にし、時には反対したり、議論を交わしたりして、より良い国になるよう執政と向き合われた。
後宮でイメルドに鍛えられていたらしいが、陛下から武の才能はさほど感じられない。
その代わりアグイロスの教育の賜物なのか、生来の素質なのか、頭の良さは際立っていた。
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