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第31-2話●望みは同じ
こうして欲しかったと彼に伝えるように中は脈打ち、もっと欲しいと強請ってしまう。
しかし彼は指の動きを止め、私の頬や首筋に口付けるばかりでこちらの望みに応えてくれない。
「ぁ……っ……やめなさい……ン……私の身勝手に付き合って、貴方まで堕ちる必要はない……あぁ……ッ」
「貴方が自分の命すら壊したがっているのは知っています。でも俺は、棄てようとしているその命が欲しいんです!」
彼が私の中から指を引き抜き、逃れられない疼きとともに私を貫き、何もかもを捕らえてくる。
無数の交わりを得て逆らえなくなった体は、彼を深くまで呑み込んでひとつになろうと肉壁を蠢かせる。
突き放さなければと思っているのに、それでも奪いたがる彼に全身が悦びを覚えてしまう。甘く潤んでしまう瞳で彼を見つめれば、すぐさま視線を合わせて逃がすまいと絡む。
最奥へ押し込みながら彼が顔を近づける。
「俺を愛していらっしゃるから、逃がそうとして下さっているんですよね? 気持ちは嬉しいです……でも俺は、貴方を失ってまで生きたくはない。生きる時も死ぬ時も、貴方とともにありたい……それに俺だって、本当ならば貴方に生きて欲しい。この命を棄ててでも、貴方だけは生かしたい……っ」
私の腰を強く掴み、彼がほとばしる熱情を最奥に突き立てる。
目の前が白く弾けて息が止まる。声も出せぬ私を、彼は容赦なく穿つ。
「ア……ッ! ぁ、あ……っ、なんて、馬鹿なことを……ぁあッ」
「どうか、許して下さい……っ、貴方を奪うことを……残りの人生を、すべて俺に下さい……どうか――」
懇願しながら彼は激しく腰を振り、私とともに高みへと登り詰めていく。
生きるも死ぬも、私とともにありたいというなら――。
損得など一切ない。あまりに純粋な想いに、私は我知らずに彼へ手を伸ばし、その背にしがみついていた。
短い果てが見えてくる。
息を乱しながら込み上げてくる快感にすべてを預け、私は彼の放った熱とともに意地を手放した。
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