103 / 106

第33-2話決着

 私の心が壊れる前まで、切実に求めていた先王陛下からの熱。  ……やはり血の繋がりは強い。顔は私の愛しい彼のほうが似ているというのに、眼差しと国に対しての想いはマクウス陛下のほうが似ている。  そして以前は切実に欲していたものなのに、体はまったく疼かない。  湧き上がってくるのは純粋な嬉しさだけ。  胸に甘さが宿り、陛下のすべてを欲したいとは思わない。  やはり私の身と心はもう、すべて彼に奪われている。  強くそのことを実感しながら、私は戯れに陛下と賭けをした。  次にこの部屋へ入ってくるのは誰か、という賭け。  陛下とともに屋敷へ攻め込んできた兵士の誰かかもしれない。  もしくは私の彼が、私の無事を確かめにやってくるかもしれない。  陛下はしばし考えて答えてくれた。  ここには来ていないはずの者を――イメルドが来ると断言された。  あり得ないと思う私へ陛下は言い切られた。 「猛火の獅子は必ず私の元へたどり着く。誰がなんと言おうと、絶対に――」  ずっと育み続けた確かな絆と想い。  その希望は扉が開くとともに現れた。 「陛下……っ!」  息を切らし、汗だくになりながらイメルドが部屋へ駆け込む。  本当に来るなんて……と驚かずにはいられなかった。  そして同時に私は気づいてしまう。イメルドがここに来たということは、命を賭してまで強さを宿した私の彼を倒したということ。

ともだちにシェアしよう!