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第7話
翌日の日が暮れた頃、ヨゾラは荷物を持って出て行った。
それを淡々と見送り、ナナトはスマホを操作する。
ヨゾラの荷物に忍ばせた小型GPSがいつでもナナトに居場所を教えてくれる。
これなら暗くて目視で見失っても、すぐに追跡できると考えたからだ。
「さ、追いかけるか」
GPSは真っ直ぐ駅に向かい、そのまま中を通って西口から出て行く。
マスコットの販売店の前を通り、少し入り組んだ道に入る。
その先は高級ホテルが立ち並ぶエリアだ。
ナナトは入り組んだ道でヨゾラの後ろ姿を見つけ、物陰に隠れながら後を追う。
しばらくすると、ヨゾラがあるホテルの前で足を止めた。
何やらスマホを操作している。
そのまま十分ほど待っていただろうか、ホテルの前に一台の高級車が止まる。
車からスーツを着た中年太りの男が降りてきて、ヨゾラのもとにやって来た。
二人は少し会話した後、目の前のホテルへ入って行く。
男がヨゾラの腰に馴れ馴れしく手を回していたのが見えた。
ナナトは抜かりなく二人がホテルへ入って行った所を撮影する。
「ん、あのオッさん……どっかで」
ナナトは男に見覚えがあった。必死に記憶の糸を手繰り寄せる。
「思い出した、あの女の……兄貴だ」
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