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第24話※
「ふ、あっ……ん、はぁ」
「ん、ん、ふあ、あ……あっ」
アパートに着いたものの、玄関のドアを閉める事ですらもどかしく、二人は玄関で唇を重ね、舌を絡め合う。
ナナトが舌でヨゾラの上顎を擦ると、ヨゾラからくぐもった甘い声が上がる。
「きもちいーね、ヨゾラ」
口端から唾液をこぼれさせながら、ヨゾラは顔を真っ赤にして何度も頷く。
この二週間、ヨゾラの体調を心配したナナトがキスすらしなかったので、随分と久しぶりのキスだ。
キスしたら絶対エッチな事したくなる、とナナトは鋼のような自制心で耐えてきたが、それはヨゾラも同じだった。
「たくさん我慢したから、きっとすごく気持ちいいよ」
ぺろりと唇を湿らせたナナトの、情欲に塗れた瞳に、ヨゾラはゾクゾクとした感覚が背中から腰にまで広がるのを押さえられず、思わず「あっ……」と甘い声を上げてしまう。
「期待してるの? いいよ、たくさんココにあげるからね」
そう言って服の上から下腹部を撫でられただけなのに、ヨゾラの体はピクリと震える。
「な、ナナト……ここではダメです……ベッドで」
かろうじてナナトに言うと、ナナトは靴を荒々しく脱ぎ捨ててヨゾラの手を引く。
「じゃあ、早く行こ。もう我慢の限界」
「あっ、ああっ……! あ、もう、ナナト……舐めるの、やめ、て……」
「やめて、って声じゃないけど?」
ナナトはヨゾラの乳首を舌でベロリと舐めて、舌先でつつく。
「気持ちいいって声出てるよ、ヨゾラ」
「……んんっ!!」
今度は口に含み、舌でコロコロと転がす。
ヨゾラの痴態に煽られた下半身は痛みすら感じるが、ナナトは丁寧に全身を舌で愛撫する。
まるで犬がじゃれついて舐め回しているようだ。
「そんな、とこ、ろ……んっ、舐めない、でっ……!」
これはマーキングだ。
もう誰にもヨゾラは渡さない。ヨゾラはナナトのものだという独占欲の証。
舐めまわされ、焦らされたヨゾラの乳首はぷっくりと立ち上がり、赤く色づいている。
ナナトは本来ならば開発が必要な胸で、性感を得られるまでになったヨゾラの姿に、少しだけ不機嫌になったが、あんな奴に嫉妬しても仕方ない、と思い直した。ましてやその事でヨゾラに当たるなんて論外だ。
ヨゾラはきっと、お金の為とはいえ、身売りした事を後悔している。まっさらな体でナナトに愛されたかった、なんて思っているかもしれない。
だけど終わってしまった事を後悔するよりも、これからどうやってナナトの体を自分好みにしていくかを考える方がよっぽど建設的だとナナトは思っている。
「こんなえっちなおっぱいになっちゃって。服が擦れたら感じちゃうんじゃないの」
「……やっ、あん、あっ……!」
少し甘噛みすれば、普段より高い声でヨゾラが喘ぐ。前を触ってもいないのに、ヨゾラのペニスの先からは先走りがあふれ、竿を伝っている。
「……あ、ナナト、も、もう……んっ、イきそう、です」
ヨゾラが恥ずかしそうに喘ぎながら、ツンと立ち上がった乳首を愛撫するナナトに報告をする。
あの救出から少し経ってから、ヨゾラはナナトに迷惑をかけたからと、何でも一つ言う事を聞くと言ってきた。
なので、ナナトはヨゾラにこう言った。
『今度えっちする時、イきそうになったら報告して。勝手にイくの禁止ね』と。
「そっか。じゃあ……出さないように手で押さえてて」
「え」
てっきり「じゃあ出していいよ」と、射精の許可が出ると思っていたヨゾラは愕然とする。
同じ性別だ、こんな状態でお預けをくらうなんて、どんなに辛いかよく分かっているはずなのに、ナナトは平然と言い放つ。
「あんまり出しすぎたらバテちゃうでしょ。ヨゾラは中イキできるんだから、中イキで我慢して」
――中イキだってしんどいんですが!!
ヨゾラはそう言いたかったが、長く楽しみたいし、せっかくの雰囲気を壊したくなくて大人しく指示に従うことにした。
「クッション入れるよ」
ナナトがヨゾラに覆い被さる姿勢から一度立ち上がって、クッションを手に取る。
そして、ヨゾラの腰にクッションを入れて、少し腰が上がる体勢にする。
パキッとローションのフタを開ける音がして、ナナトがヨゾラの臀部に手を這わせる。
「中、広げるから、足開いて」
おずおずと開かれた足の間にナナトは体を滑り込ませた。
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