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括り紮げる 30

その瞬間、珀英が起き上がって緋音の腕を引っ張ると、いきなりベットに押し倒して上にのしかかった。 「あ・・・ちょっ・・・」 軽く抗議するように言葉を発した緋音の口唇に、珀英は噛み付くような勢いでキスをして、その小さな舌を強く吸い上げる。 緋音の唾液と自分の精液が混じった味がする。 「んんっっ・・・はくっっえいっっ・・・」 口唇を離して舌だけを搦(から)めて、また深く口吻けて強く吸い上げて・・・。 「ああ・・んんっ・・・ふぅあん・・・」 激しいキスを繰り返して、口唇の端から漏れ出る緋音の声が、完全に喘(あえ)ぎ声になった頃、珀英はキスをやめると、ベットサイドのチェストに入れておいたローションを取り出した。 緋音は激しすぎるキスに頭の芯が痺(しび)れて、蕩(とろ)けて、何も考えられなくなっていた。 無意識に髪をかき上げようと手を上げた時、顔にかかったままの、珀英の精液がべったりと手についた。 ああ・・・そうだ・・・顔射されたんだっけ・・・。 そんなことをぼんやり考えながら、緋音は手についた珀英の精液を舐める。 もう冷たくなって、粘度が増した精液。 舌にねっとりとまとわりついて、臭みも増した精液の苦いその味に、妙に興奮する。 緋音は何度も何度も、指で取っては、舐め続けた。 人差し指だけじゃ足りずに、中指も薬指も使って珀英の精液を擦(こす)り取って、舌で口唇で舐め回す。 緋音の表情が、突っ込まれている時のように、とろとろに蕩けた表情(かお)に変化していく。 いやらしく、それでいて美しい、妖艶な表情に。 それに全く気づいていない珀英は、緋音のスウェットと下着を脱がせると、ローションを手に取り、期待してひくついている緋音の小さな穴に、たっぷりと塗る。 そのまま指をゆっくり入れて、入り口の所で小さく抜き差しする。 「あっ・・・ふぅん・・・」 体をビクビク震わせて、緋音が吐息を漏らす。 緋音の体が跳ねるのと同時に、小さな可愛い穴が珀英の指を、きゅぅっと締める。 指を締め付けてくるのを感じながら、珀英はゆっくりと緋音の中を押し広げながら、改めて緋音の上にのしかかって顔を見る。 見た瞬間、硬直する。 緋音が、大きな漆黒の瞳をとろんと熱く蕩(とろ)けさせて、真っ白な頬を桜色に染めて、その奇麗な艶(あで)やかな顔にかかった、珀英の精液を、華奢(きゃしゃ)な白い指で取っては、紅い舌でねっとりと舐めている。 珀英の背筋をゾクゾクした感覚が、走り抜けていった。 こんな風に、自分の精液を舐められるのなんて、初めてだった。 口の中で出したものじゃなくて、顔にかかったものを、指ですくって舐めるなんてこんなことする人はいなかった。 驚愕している珀英を見て、緋音は揶揄(からか)うように誘惑するように、嫣然(えんぜん)と微笑む。 白い細い指ですくった精液が、ゆっくりと手のひらに滴(したた)る。 ベロりと舌全体で舐めて飲み下す。 緋音は珀英が自分を見て、精液を舐めているのを見て、硬直したままの珀英の瞳が極限まで発情して、獣じみた狂気を帯びているのを見て。 珀英に見せつけるように、うっすらと艶(あで)やかに笑いながら。 中で動くのを忘れている珀英の指に腰をくねらせながら、緋音は荒い呼吸を繰り返して、挑発するように珀英を見つめながら、とうとう最後の珀英の精液を全部指で取って。 ねっとりと紅い舌で、舐めて。 飲んでしまった。 珀英は、ゴクリと喉を鳴らして、溢れていた唾液を飲み込んだ。 緋音は真っ赤な口唇でにっこり微笑みながら、最後の一滴を舐め終わると、名残惜(なごりお)しそうに、その指を咥(くわ)えながら。 「・・・おいし・・・」 うっとりと呟いて。 陶然(とうぜん)と微笑んだ。

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