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第7話 学校でのふたり

 翔多を送り、家へ戻ってから、浩貴は風呂に入ってベッドにもぐり込んだ。  ベッドにはまだかすかに翔多の香りが残っていた。  ポカポカした小春日和のお日様のような香りは、彼の人柄そのものだ。  浩貴はそっとシーツを撫でる。数時間前にはここに翔多がいた。  翔多、おやすみ……。  恋人の残り香をふんわりと感じながら、浩貴は眠りに落ちて行った。  浩貴と翔多は中学生の頃からの同級生で、親友同士だった。  高校も同じところへ進学したわけだが、別に意図してそうしたわけではなく、成績が同程度で、自転車で通学できる距離にあるという便利さゆえにすぎなかった。  二人が通う日向高校は三年間クラス替えがなく、浩貴と翔多は現在、二年一組である。  タンッと軽い音を立てて翔多が踏み台を蹴り、華奢な体が宙を舞う。体操部も顔負けの綺麗なフォームで翔多が跳び箱を飛んだ。  サラサラの髪が体育館の照明にキラキラと輝き、まるで絵画をみているように美しい。  体育の時間。この日は女子は外でテニス、男子は体育館で跳び箱だった。  着地も見事に決めた翔多が、ご機嫌といった顔で走って来て、浩貴の隣に座る。出席番号順に飛んでいるので、浩貴の順番はもう少し先だ。 「オレ、跳び箱って嫌いじゃないけど、踏み台飛ぶタイミングがつかみにくくって、いつも緊張するんだよねー」  鮮やかに飛んでおきながら、翔多は形のいい眉を心持ち『ハ』の字にしてそんなふうに言った。  首筋に汗が一滴流れていて、それがなんともエロくて、浩貴の鼓動が跳ね上がる。  ……ダメだぞ、学校でそんな気になっちゃ。  浩貴は反応しかける体を叱咤し、ごまかすために、まったく関係のない話題を持ち出した

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