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第20話 秘密の質問②

 チョコレートシェイクを持ったまま、翔多は一瞬きょとんとし、そして次の瞬間、トマトのように真っ赤になった。 「なっ? なななななにをっ!?」  ものすごく狼狽える翔多がとてもかわいい。 「いや、だってオレにしてみれば、すごく大切なことなんだよ。いつまでも翔多が痛いだけだったら、オレも少し……勉強しなきゃいけないし」  勉強って、なにをどういうふうに勉強するんだよ? と心の中で自分自身に突っ込みながら、浩貴は翔多へそう言った。 「し、信じらんないっ、浩貴、こ、こんな場所でそういうこと聞く!? 普通。あー、もうほんと信じらんないっ」  翔多はズズズッと派手な音を立てて、シェイクを飲んでしまうと、食べ終わったトレイもそのままに席を立ち、先に出口まで歩いて行ってしまう。 「ちょー、翔多、おい、待てよ」  浩貴は慌てて二人分のトレイを重ねて立ち上がると、ゴミを捨てトレイを返して、翔多のあとを追った。  そのあと、二人は都内にある某一流ホテルへ行った。  このホテルは、翔多の父親の友人がオーナーで、翔多は宿泊料もルームサービスもホテル内のレストランも……つまりすべてが無料という特別待遇で利用できるのだ。  このことはまだ高校生で、しかも男同士の恋人である二人にはかなりありがたかった。  浩貴の家は、父親は帰宅時間が決まっているのでともかく、弟の浩之が帰宅時間はまちまちな上、何度注意しても三回に一回はノックをしないで、浩貴の部屋へ入ってくる。  翔多の下宿先はといえば、伯母さんが専業主婦のため家にいることが多く、社交的な性格で、常に近所の主婦たちの溜まり場になっている。  そういう環境にある二人なので、恋人同士として愛を確かめ合う行為ができる機会が少ない。 

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