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第23話 切なさと激しさの情交
翔多の細くしなやかな指が力いっぱいシーツを握りしめている。
浩貴は、少しでも翔多の痛みが少なくなるよう、ずいぶん時間をかけて彼の最奥を指でほぐした。
それでも、浩貴の雄をそこへあてがい、ゆっくりと挿入していくと、翔多の顔には苦痛の色が浮かんで……。
その表情に罪悪感みたいなものを覚えながらも、恋人の中の熱さと狭さはあまりにも心地良く、浩貴は快感の吐息を漏らさずにはいられなかった。
「翔多……」
「うっ……、あっ……」
翔多は懸命に声を噛み殺している。浩貴は彼に優しいキスを何度も贈った。
「声、聞かせて……、翔多……」
「浩、貴……」
腰を進めていくほどに快感は増していき、頭が真っ白にしびれていくようだった。
雄を根元まで翔多の中へ埋めてしまうと、浩貴はゆっくりと動き出す。
「いっ……! 浩貴っ……、やっ……」
翔多が艶っぽい悲鳴を上げた。
恋人への愛しさと欲望が込み上げ、浩貴の動きは徐々に激しさを増していく。
「あっ……、やだっ……浩貴っ……」
翔多の声が高く掠れ、絶頂へと昇りつめた。
その瞬間の締め付けが、翔多の甘い声が、浩貴の欲望をより一層大きく燃え上がらせて、これ以上はないくらいに、彼の奥深くを突き上げた。
「翔多……、翔多……」
メチャクチャにしたい。オレ以外のなにも、誰も、見えなくなるまで。
……それは浩貴の心に生まれて初めて芽生えた、狂暴なまでの恋心だった。
翔多の心も体もオレだけのもの。
絶対に誰にも見せない、触れさせない、渡さない。
オレ以外のどんな存在も許さない。
翔多はオレだけのもの。
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