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第36話 モーニング・メランコリー③

 翔多は小さく溜息を落とした。  かっこよくて優しくて、いい意味での男としてのプライドがあって。浩貴は本当に魅力的だ。  勿論、そんな浩貴だから、オレも好きになったんだけど……。  でも浩貴は誰にでも優しいから……。  冷たい美形という見た目と裏腹に、彼はとても優しい性格をしている。だから学校でも一番の人気者で、異性同性問わず好かれているし、頼りにもされている。  当然の結果として、浩貴に恋焦がれている女子生徒は本当に多い。翔多が知っているだけでも。  翔多は二度目の溜息をついた。  恋人がまったくモテないよりは、モテるほうがいいのかもしれないけれど。でも、それは比例して不安も増すということだ。 「特にオレたちの場合は、男同士だしね……」  小さな独り言は、高い天井へと吸い込まれて消える。  ……男女の恋人たちよりも不安は大きいと思う。  翔多は浩貴を信じているし、簡単に心変わりするような男だとも決して思っていない。  それでも不安になるのが恋というものだろう。  翔多は三度目の溜息をついた。  ミカコの存在が翔多を苦しめていた。浩貴の幼馴染で、彼いわく妹のように思っている少女。  でも、ミカコのほうは浩貴に恋をしている。 「だからこそ、あんな話を浩貴にしたんだろうな……」

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