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第39話 久しぶりの二人きり②

「でも、翔多、あんなに朝早くに電話かけてくるからびっくりしたんだぞ。なにかあったのかって、マジで心配したんだからな」 「ごめんねー。だって浩貴、この頃ミカコのことで忙しそうだから、朝早くにでも身柄を拘束しておかなきゃって思ってさ」  翔多が少し意地悪な言い方をすると、浩貴は困ったような曖昧な表情になった。 「ああ……、ごめんな。……でも……」 「……もういいよ。今はこうして二人でいるんだもん」  小さな意地悪はやめて、翔多は浩貴の肩へ自分の頭をもたせかけた。 「うん……」  浩貴が翔多の髪を優しく撫でてくれる。  ゆっくりと髪の感触を楽しむかのような彼の手の動きが心地よい。  しばらく翔多の髪を撫でることを繰り返していた手が、やがて首筋に触れ、肩を滑り、意味ありげに腰に回された。 「翔多……」  浩貴が熱い吐息混じりに名前を囁く。  ゾク……と翔多の体に甘い疼きが走る。  体制を変えて、向き合う形になった浩貴が翔多に口づけをした。 「ん……」  初めは触れるだけのキスを繰り返し、やがてついばむように、それから噛みつくようなものへと激しさを増していく。  翔多の唇を割って、彼の熱い舌が侵入してきた。  舌を絡ませながら、浩貴の手は翔多の胸を服の上から淫らにまさぐり、そのままソファへ押し倒されそうになった。  翔多は、浩貴に蹂躙されるがままに身を任せてしまいそうになる。  このままなにも分からなくなるまで、二人溶け合いたい……。  ……でも。  情欲の嵐に呑み込まれそうな自分を翔多はなんとか抑え込み、浩貴の体を押し返した。

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