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第41話 諍い②
「翔多、本当にいったいどうしたんだよ? そんなこと言うなんて、おまえらしくもない……」
……オレらしくない、か。
そうだね、浩貴、自分でもそう思うよ。
でも浩貴が好きだから、誰よりも大切な人だから、不安になるんだ。
オレだって悩んでしまうし、嫉妬もしてしまう。
怖いんだよ、浩貴。
浩貴がオレの傍を去って、ミカコのもとへ行ってしまうんじゃないかって。たまらなく怖い……。
浩貴を信じていないとか、そんなんじゃなくって、理屈なんかじゃなくって……ただ、怖いんだ……。
「……帰る」
翔多は唐突にそう言うと、すっくと音がしそうな勢いでソファから立ち上がった。
これ以上、浩貴と話していると、どんどん醜い自分を彼に見せてしまいそうだし、自分自身に嫌気がさしてきそうだった。
「え……? おい、翔多!?」
突然の翔多の行動に浩貴はひどく戸惑いながらも、とっさに引きとめようとして、腕をつかんできた。
「離せよ、浩貴。……もうちょっと冷静になれたときに、また話するから」
「翔多? ほんと、どうしたんだよ。おまえ今日はおかしいぞ? 朝早くに呼び出したかと思えば、急に帰るなんて言いだして」
「とにかく今日は帰る。浩貴はここでゆっくりしていったらいいから」
「翔多!」
「離せってば!」
つかまれた腕をふりほどこうとする翔多と、わけが分からないままにも、引きとめようとする浩貴。
もみあっているうちにバランスを崩し、二人して近くにあったベッドへ倒れ込んでしまった。
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