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第42話 困惑の中の交わり
二人の体重を受け止め、ベッドが軋んだ。
翔多が浩貴を押しのけて体を起こそうとするより早く、浩貴に押さえこまれてしまった。
「翔多……」
翔多の上に覆いかぶさるような形になった浩貴が、熱を孕んだ瞳で見つめてきて、唇がゆっくり重ねられる。
「んっ……や……」
逃れようと体をひねりながら、翔多が抵抗の言葉を発したとき、開かれた唇のあいだへ浩貴の熱い舌が侵入してきた。
……嫌だ、こんな形で体を重ねるのは。
こんな気持ちのまま、浩貴を受け入れるのは……!
適わないと分かっていながらも、翔多は抵抗を続けたが、浩貴の唇は耳元から首筋を彷徨い、鎖骨を這い、乱暴にはだけられた胸へと降りてきて……。
小さな乳首に吸い付かれた瞬間、
「あっ……」
会えない時間が忘れさせていた快感を、翔多の体が思い出した。
浩貴の右手が器用に翔多のジーンズのベルトを外し、ジッパーを下げる。
下着の中へ彼の手が入り込み、翔多のそれに直に触れてくると、翔多の抵抗は少しずつ弱いものになっていく。
「やだっ……、浩貴……」
しかし、拒絶の言葉とは裏腹に、ずっと浩貴に飢えていた翔多の体は、彼との愛の行為に呑み込まれてしまった。
飢えていたのは浩貴も同じだったみたいで、いつもの彼らしくない強引さで、翔多の中へ挿入してきた。そして、何度も容赦なく突き上げてくる。
「翔多……、翔多……」
熱に浮かされたように何度も何度も名前を呼びながら。
「あうっ……、やだっ……浩貴っ……やっ……」
あまりの激しさに、翔多は悲鳴に近い声を押し殺すことさえできなかった。
苦痛と快感に頭がぼんやりとしてくる。
抵抗する体力も気力も、もはや完全に失くして、ただ浩貴の灼熱を体の奥深くに感じたまま、翔多は我を忘れて行った……。
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