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第69話 情交のあと

 今度はバックから翔多を攻めた。  浩貴は彼の細い腰を持ち、後ろから挿入し、激しく突き上げた。  翔多は顔を枕に埋めるようにして、両手でシーツを強く握りしめている。  この体位はまだ慣れていないせいか、翔多はひどく敏感に反応した。 「あっ……やぁ……、浩貴っ……」 「翔多……、翔多……もっと乱れて……、翔多、好きだ……」 「やっ……、浩貴っ……、ああっ……もう……だめ……」 「……翔多……オレのこと、好きって、言えよ……、ほら……翔多……」 「……き。大、好き……、浩貴……浩貴っ……好き……」 「翔多……」  甘く掠れる翔多の悲鳴と、浩貴の荒い吐息。そして浩貴が翔多のお尻へ腰を打ち付ける卑猥な音が、デラックス・ツインの部屋に響き渡る。  二人の交わりは、終わりがないかのように長く続いた。  ――結局、五回もしてしまった。  浩貴もさすがにヘロヘロに疲れて、広いベッドへ横たわったまま、腕を動かすのも億劫なくらいだった。  でも、と、浩貴は濃密な情交の時間を振り返る。  ……オレ、してるとき、めっちゃ恥ずかしいこと言った気がする。  行為の最中は夢中だから、自分がどんなことを言ってるのかなど、勿論、全然意識していない。  でも、こうして思い返してみると、なんだかとても恥ずかしい。  すごく恥ずかしい言葉を口にしたし、なにより、エロいこと翔多にいっぱいしたよな、オレ。  顔から火が出るほど恥ずかしい、とはこういう気持ちを言うのだろうか、と考える。  だが、それと同時に誇らしい気持ちがあるのも事実だった。翔多に大きな快楽をあたえ、あられもなく乱れる姿を目の当たりにして。

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