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第70話 情交のあと②
そして、浩貴の愛しい恋人はというと、隣で目を閉じてぐったりしている。
男同士の場合、されるほうの負担のほうが大きいのだろうか?
「……翔多?」
眠ってしまったのかと思い、そっと声をかけると、翔多はゆっくりと目を開けた。
「……なに? 浩貴……」
眠ってはいなかったみたいで、口元にかすかな微笑みを浮かべている。
翔多の声は酷く掠れていて、浩貴はまたもや先ほどの激しいセックスを思い出して、一人赤面した。
浩貴が行為を反芻して、一人赤くなっているあいだにも、翔多は今度は本当に眠りに落ちかけていて、小さな寝息を立て始めている。
あ、やば。
今夜はここで泊るわけにはいかないから、翔多が本格的に眠ってしまうとまずいのだ。
浩貴にしても、このまま彼と寄り添い合って眠りにつきたいけれど、先週もこのホテルで泊まったばかりだ。さすがに毎週外泊するのはまずいだろう。
浩貴は半分眠っている翔多を無理にベッドから引きはがし、そのまま引きずるようにしてバスルームへ連れて行き、一緒にシャワーを浴びる。
フラフラになりながらも、なんとか服を身に着け、ホテルをチェックアウトした。
ヨロヨロの翔多を下宿へ送り届け、彼の伯母さんには、「ずっと屋内プールで泳いでたから、クタクタになっちゃって」と言い訳をしておいた。
そのあと浩貴も自宅へ帰り、自室のベッドへ倒れ込んだ。
目を閉じると翔多の痴態が浮かぶ。にやつきながら寝返りをうったとき、ジーンズのポケットに一枚の紙が入っているのに気付いた。
……? なんだ? これ。
紙をポケットから出しているときに、思い出してしまった。
美少女コンテストだ……。
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