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第104話 ライバルの目的は?③
今里はどうしてオレたちとばかり会いたがるのだろう?
他に友人もいるだろうし、それこそナンパでもすれば、あいつなら大抵の女の子を落とせるはずなのに。
やっぱり翔多になんらかの興味を持ったんじゃないのか?
そんな不穏な思いがどうしても消えない。
「それより浩貴ー。おなか空かない? なにか食べに行こうよ」
翔多が屈託なく笑いかけて来る。
浩貴は心に広がる暗雲を無理やり振り払った。
「そうだな。翔多、なに食べたい? ファストフードはちょっと飽きたよな。……あ、そういえば、この近くに新しいパスタ専門店ができたって、この前スマホで見つけたんだ。結構評判いいみたいだよ。おいしくってボリュームがあって、値段もお手頃だって」
「うんっ、そこに決まり! オレ、ペペロンチーノ食べたい」
うれしそうに笑う翔多につられて浩貴の顔にも笑顔が戻る。
今は翔多と二人きりのかけがえのない時間だ。
浩貴は心に込み上げる嫌な予感……と言えばいいのか、どうにも形容しがたい不安で不穏な感情をとりあえずは封印した。
――でも、二人はもう少し、今里という男に注意を払うべきだったのかもしれない。
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