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第127話 編入生

 ……本当かわいいよな、翔多って。  あんなにあどけない顔してるくせに、エッチのときはすごく色っぽくて淫らで……。と、だめだ、だめだ。  土、日のめくるめく愛の行為を思い出すと、こんなに眠くて疲れているというのに、浩貴の体は翔多を求めて反応してしまう。  ……オレってこんなにやらしかったっけ? いや健康な高校生の男としては普通だよな。  それにだいたい翔多がかわいくて、エロ過ぎるから……。  浩貴が寝ぼけた頭で、のろけを延々と思い巡らせていると、チャイムが鳴り、担任が教室へ入ってきた。  「起立、礼、着席」  朝の挨拶をロボットのような動きでこなすと、浩貴は再び机に貼りついてしまう。  どうして学校の机というのはこんなに寝心地がいいのだろうか? 「――というわけで、新しいクラスメートが来たので、みんな仲良くするように」  担任がそう言ったあと、誰かが入ってくる足音が聞こえた。  クラスメートたちのざわめきが、居眠りをする浩貴の頭の上を飛び交っている。  そして、次の瞬間。 「今里司です」  はあ!?  浩貴の眠気が一瞬にして消え去る。 「アメリカから帰ってきたばかりです」 「今里っ!?」 「今里くんっ!?」  ガタンッと大きな音を立て、浩貴と翔多はほぼ同時に椅子から立ち上がった。 「よろしくお願いします」  ペコリとお辞儀をする今里。  よく見知った顔と声、金輪際見たくも聞きたくもなかった顔と声。  今里は顔を上げると、まずは翔多のほうを見て、にっこりと優しく微笑みかけ、次に浩貴を見ると、口角を片方だけ上げ、挑戦的に笑った。  どうして、いったいなんで、こいつが!?  浩貴は今里を鋭い目で睨みつけながら、すごく嫌な予感が膨らんでくるのを感じていた。

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