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第138話 屋上での情交③

 浩貴は翔多の目線まで自分の顔を戻すと、唇の端に滴った彼の愛液を細く長い指で絡め取りわざとイヤラシク舐めてみせた。  翔多は耳まで真っ赤にして、涙目で浩貴を睨んでくる。 「……っ……浩貴のバカ、変態、意地悪。オレ、やだって言ったのに……」 「でも、気持ちよかっただろ?」  浩貴が翔多の瞳を覗き込むようにして言うと、 「~~っ。ほんと、浩貴、変態、バカ」  同じような言葉を繰り返しながら、更に瞳をウルウルさせ、拗ねている。  その表情がまた、たまらなく愛くるしい。 「……なあ、翔多……」  浩貴は恋人の耳元へ熱い吐息混じりに囁いた。 「オレ……まだ、イッてないんだよ……。翔多……」  そして自分の勃起を翔多の腰へと押し付けた。 「浩貴……」  翔多の切ない息遣い。 「翔多……いい?」  翔多の耳朶を甘噛みしながら、今一度囁きかけると、彼は小さく首を縦に振ってくれた。  翔多をフェンスへ押し付け立たせたまま、浩貴は彼の片脚を持ち上げると、これ以上は待てないとばかりに勢いよく自身を挿入した。 「……っ……浩貴っ……」  翔多が甘い善がり声をあげて、浩貴に強くしがみついてくる。  さっき放った浩貴の精液で翔多の中は濡れていて、昂ぶりは一気に奥まで入り込んだ。 「くっ……翔多……」  幾度行為を重ねても、翔多の中はまるで初めてのように狭く、きつく浩貴を締め付けてくる。  絡みついてくる内壁の気持ちよさに浩貴の唇からも、喘ぎが零れてしまう。 「翔多……、イイよ……、もっと締め付けて……」 「んっ……あっ……! 浩貴、浩貴っ……」  浩貴が激しく突き上げる度、翔多の体がガクガクと揺れる。  二人はあまり長い時間はもたず、ほとんど同時に高みへと昇りつめていった――。

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