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第148話 保健室で……②

 いつもの能天気な、少し幼い雰囲気は影をひそめ、濡れた大きな瞳が妖しく煌めく。 「浩貴……気持ち、イイ?」  淫らに手を動かしながら、翔多が聞いてくる。 「ん……すごい気持ちイイ……翔多……」 「浩貴……」 「翔多……おまえも気持ちよくしてやるよ……」  浩貴はそう言うと少し体勢を変え、自分の右手をベッド中へと入れ、翔多のそれを同じように愛撫した。 「あっ……浩貴……ああっ……」  お互いのイイところを知り尽くした二人は、その手を動かし合い、昂ぶりと鼓動を存分に確かめ合う。 「翔多……イイ……?」 「……イイ……気持ちイイ……あっ、あん……浩貴っ……」  かすかに消毒薬の匂いがする学校の保健室で、浩貴と翔多は二人ほとんど同時にイッた。  保健室でのエッチな行為を終え、服を整えたときには、翔多のめまいはずいぶんマシになっていた。  だが、それでもまだ足元が危なっかしいので、その日は自転車では帰らず、浩貴が翔多をおぶさって帰ることにした。 「ねー、浩貴、オレ、重くないー?」 「全然、重くない。軽いくらいだよ。それより翔多、気分悪くないか? 吐き気とか大丈夫か?」 「大丈夫。ねー、浩貴ー、オレもう歩けるから降りるよ」 「だめだ。まだフラフラしてるんだから」  自転車で十五分ほどの彼の下宿先までの道のりは、翔多をおぶさりながら歩くと、それなりの距離はあったけれども、浩貴は背中に感じる彼の体温と重さが、とても愛しかった。  浩貴は改めて心に強く誓った。  翔多は絶対にオレが守る――。

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