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第153話 衝撃

「んでさー、ついこの前、オレ見ちゃったんだよねー。おまえと岡利がエッチしてんのを」 「――――!!」  浩貴はショックのあまり凍り付いた。顔から血の気が引いていく。  見られてた? こいつに、オレと翔多の……。 「オレ、あの給水塔の裏にいたんだけどさ、あそこからばっちり見えちゃったんだ。もー、マジびっくりした。学校一の人気者の園田浩貴クンと、綺麗でかわいい岡利翔多クンが、ああいうことをする関係だったとはねー」  谷川が厭らしい笑いを浮かべて話すの聞きながら、浩貴は目の前が真っ暗になっていくのを感じた。 「すっげー、激しかったよなー。でもなんと言っても興奮したのは、翔多クンの色っぽさだったわ。能天気なバカとしか思ってなかったけど、あんな艶めかし――」 「やめろっ!!」  浩貴は叫んだ。翔多のことを汚されたようで、耐えられなかった。  浩貴は怒りのあまり、爪が食い込むほど強く拳を握りしめた。  だが、浩貴の怒りの迫力にもまったく動じることなく、谷川は言葉を続ける。 「なあ、浩貴クン、おまえらがあんな関係にあること、学校にばれちゃったら困るんじゃね?」 「…………」 「多分、学校は退学。おまえも翔多クンも好奇の目で見られまくるだろうし、おまえらの親もさぞかしショックを受けるだろうなー」 「…………」 「でも、まあ、オレさえ黙っていれば、なんの問題もないわけでー」 「……なにが言いたい?」 「取引だ。黙っててやる代わりに翔多クンとヤらせてくれよ」 「ふざけんな!!」  浩貴の怒りは頂点をはるかに超え、谷川に殴りかかった。だが、ケンカ慣れした谷川は巧みに浩貴の攻撃をかわす。 「まあまあ、そんなに熱くなんなよ。別に何回もヤらせろって言わねえからさ。一回だけでいいよ。オレにも翔多クンを味見させてくれよ」 「そんなことは絶対にさせない……!」  ……こいつ、殺してやりたい……!  浩貴は生まれて初めて本当の殺意というものを覚えた。 「ふーん。いいのかなー? 二人の関係がばれちゃっても。おまけに学校の屋上でエッチまでしてさー」 「……どこにも証拠はないだろ……?」

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