11 / 22
第11話 球技大会前日
球技大会の季節がやって来た。
運動神経が悪い真が参加するのは、競技がはじまる前に行う大縄跳びのみだ。それが終われば、あとは応援に徹する。球技大会なのに球技はせずに真の球技大会は終わる。参加しても足を引っ張るだけなので、真としてもその方が気が楽なのだが。
球技大会前日。放課後に体育館でバスケの練習を終え、生徒達はぞろぞろと帰っていく。真は使い終わったボールの片付けをしていた。
競技に参加はしないので、雑用と応援が真の仕事だ。
散らばるボールを集めて体育倉庫に運ぶ。
薄暗い倉庫の中に横たわる人影を見つけ、真はぎょっとした。
「ひぃっ……!?」
真の悲鳴に、人影が動く。
よく見ると、それは今井だった。
「あっ……い、今井くん……?」
「んあ? あー、よく寝た」
マットの上で寝ていた今井は、上半身を起こして大きく伸びをする。
彼はバスケの選手に選ばれているのに練習に参加していなかった。帰ってしまったのかと思っていたら、こんなところでサボっていたのだ。
あくびをしながら、今井は真の存在に気づいた。
「練習、終わったのか?」
「うん。今井くん、ずっと寝てたの?」
「ああ」
「明日本番なのに、練習しなくてよかったの?」
「いーんだよ。どーせ明日もサボるし」
「ええ!?」
こきこきと首を鳴らし当然のことのように言う彼に、真は思わず大きな声を上げる。
「試合サボるの!?」
「当たり前だろ。こっちは参加するつもりねーのに、勝手に選手に選ばれたんだ。んなメンドクセーもん参加するかよ」
「ええ……」
真なんて、参加するつもりがあっても選手には決して選ばれないというのに。
「今井くん、バスケ上手いのに参加しないなんてもったいないよ」
体育の授業で見る限り、今井は真と違い運動神経がよくてバスケも上手かった。相手を見ないでパスしたり、ゴールを何本も入れたり、彼のプレーに真はいつも感心していた。
「バスケしてる今井くん、凄くカッコいいのに」
残念がる真を、今井はじっと見つめる。
「……お前、俺に試合に参加してほしいのか?」
「え? うん、もちろん。今井くんの活躍が見れるの、楽しみにしてたから」
真は素直に頷いた。当日はほぼ応援するだけだが、球技大会は純粋に楽しみだった。精一杯今井達の応援をしようと思っていたのだ。
今井はサッと視線を逸らす。
「…………そんなに俺に参加してほしいかよ?」
「う、うん……でも」
無理に参加してほしいとは思っていない。
本人にやる気がないのなら、無理強いはしたくない。
そう言葉を続けようとしたが、その前に腕を引っ張られてマットに押し倒された。
「い、今井くん……!?」
「だったら、俺をその気にさせろよ」
「その気? って、どうすれば……」
というか、無理やりやる気を出させてまで参加してほしいわけではないのだが。
今井は戸惑う真の顔を跨ぐ。
甘い香りが鼻を掠めた。
情欲を孕んだ今井の瞳が、まっすぐに真を見下ろしている。
目が合って、ぞくりと体が震えた。
飢餓感に似た欲望が、どっと込み上げてくる。
自然と息が上がり、真は縋るように彼を見つめた。
途端に、甘い香りが強くなる。
「今井く……」
「はっ……エロい顔……」
唇の端を吊り上げ、今井は親指で真の唇を撫でた。
真は無意識に、その指に舌を伸ばす。彼の目を見つめたまま、ちゅうっと指に吸い付いた。
今井の双眸が、獲物を狙う肉食獣のようにギラギラと興奮を滲ませる。
「ックソ、煽りやがって……」
今井は乱暴に自身のズボンと下着をずり下ろした。
ぶるりと飛び出した男根が、真の眼前に突きつけられる。
一層甘い匂いが濃くなり、真はくらくらした。
視線はそそり立つ肉棒に釘付けになる。
好物を目の前にした犬のように、だらしなく口を開けて涎を垂らした。
はあっはあっと息を荒げる真を、同じように息を乱した今井が見下ろす。
「チンコ見て涎垂らすとか、マジで淫乱だな、お前」
「ごめ、なひゃ……ンンッ」
鼻先に亀頭を擦り付けられ、じゅわっと新たな唾液が込み上げる。
真は仰向けの状態で膝を立て、もじもじと太股を擦り合わせた。
「俺のチンコ欲しいのか?」
「んっ、うんっ、欲しい……っ」
「即答かよ……」
今井はごくりと喉を鳴らす。
「どうしてほしいんだ? どこに欲しい?」
すっかり性欲の甘い匂いに酔っている真は、思うままに欲望を口にする。
「お口に、入れてほしい……。今井くんのおちんちんで口の中、いっぱいにして、奥まで、入れて……おちんちんで口の中、たくさん擦って、僕の口に精液出してほしい……。今井くんの、精液飲みたい……」
「ッ、ッ……どんだけチンコ好きなんだよッ」
「んんぅっ……」
唾液が溢れる口腔内に、剛直を突っ込まれる。
「っは……お前の口ん中、涎でどろどろ……っ」
「んっんっんっんっ、ふぁっ、ンッ、んんっ」
「夢中でしゃぶりやがってっ……そんなに俺のチンコうまいかよっ」
「はぁっ、ぁんっ、おいひぃっ、んんっんっ」
今井は興奮した様子で腰を振る。
ぐじゅぐじゅと出し入れされる陰茎に、真は口を窄めてしゃぶりついた。
必死に鼻で呼吸しながら、喉奥まで亀頭を迎え入れ、音を立てて吸い上げる。
「あっ……くそっ……真の口ん中、ヤベッ……」
今井は荒い息を吐きながら、真の頭を両手で押さえ、後孔と同じように口の中を肉棒で犯す。
口の粘膜を大きなものに激しく擦られ喉を突かれ、涙を滲ませてはいるが、真の瞳はトロトロに蕩けていた。
滲み出す先走りを啜り今井の欲望を味わいながら、強く彼の太股にしがみつく。
先ほどからアナルが疼いて、物欲しげにぱくぱくと開閉していた。触れられてもいないぺニスは頭を擡げ、だらだらと蜜を漏らして下着を汚している。
内腿を擦り合わせて腰を捩り、真は必死に下腹の疼きに耐えていた。
「んぅっ、ふっ、うっ、ぅんんっ、ンッ」
「喉めちゃくちゃ突かれてっ、感じまくってるエロい顔見せるとかっ、淫乱がっ」
荒々しく言葉を吐き捨てながら、今井は快楽を貪るように男根を抜き差しする。
掠れた声と余裕のない表情に、今井が感じてくれているのが伝わってきて嬉しかった。
もっと気持ちよくなってほしくて、真は一層激しく肉棒に吸い付いた。
今井の顔が快感に歪み、腰の動きが速くなる。
「っく、イくっ、出すぞっ」
「んぅっんっんっんっ」
「お前の望み通り、全部出してやるからなっ」
「ふっんっんっ、んうぅっ」
「出るっ、真の口ん中、く、うぅ……ッ」
「んぷっ、んっん~~~~っ」
どぷどぷどぷっと、大量の精液を喉に注がれる。
甘露のような甘みが口の中に広がり、真は陶然とした表情で味わう。
どろりとしたそれを、嘔吐きそうになりながらも全て喉の奥へ流し込んだ。
「っく、はあっ、真……ッ」
ちゅぱちゅぱと亀頭に吸い付いて残滓まで啜り上げ、一滴残らず飲み干した。
陰茎が、ずるりと口から引き抜かれる。唾液に濡れたそれを、名残惜しげに見つめた。
その視線に気づいた今井が意地悪く笑う。
「物足りないってツラしてんな」
「ぁ……」
「望み通り精液飲ませてやったのに、まだ足りないのかよ?」
精気は食べられたのだから満足してもいいはずなのに、真の体はもっともっとと訴えている。後孔が切なく疼き、真は腰を揺すった。
今井は笑みを深め、真の下肢に手を伸ばす。
「あっ、今井く……」
「はっ、チンコ勃ってんじゃねーか」
ズボンを下ろされると、濡れそぼった下着が露になる。
「しかもめっちゃ濡れてるし」
「ンあっ、あんっ」
下着の上からぺニスを擦られ、くちゅくちゅと濡れた音が響いた。
性感の高まった体は、軽く扱かれただけでびくびくっと大袈裟に反応してしまう。
「ひあぁあっ、あっあっあんっ」
「少し弄っただけで、もうイきそうになってんじゃねーか」
「あぁっ……」
揶揄するような囁きに、真は顔を真っ赤に染めて身悶えた。
今井はぺニスから手を離し、下着に手をかけた。それをゆっくりと引き下ろしていく。
「スゲ、ぬるぬる……」
「やあぁっ」
粘液がとろーっと糸を引きながら、下着の中から濡れたぺニスが飛び出す。
今井の指が、裏筋をつう……っと上から下へなぞった。
「ひぁんっ」
「チンコ扱いて、出してスッキリして、それで終わるか? それとも」
今井の指はぺニスの根本から陰嚢を通り、会陰を辿って後孔に触れた。そこは膣のように蜜を漏らし、陰茎を欲しがって収縮を繰り返している。
「んはあぁっ」
「ここに、チンコ突っ込まれて気持ちよくなるか?」
指の腹でアナルを擦られ、それだけで真は快感に背中を仰け反らせた。
くぱりと口を開けた蕾が、勝手に今井の指を飲み込もうとする。
今井はニヤリと笑い、舌舐めずりした。
「訊くまでもねーって感じだけどな」
「んっ、あっあっ」
「どうする、真?」
「今井くんのおちんちん、入れてほしい……っ」
真は顔を赤くしながらも、素直にそう口にした。
後孔がずっと疼いて、我慢できない。
「口にしたみたいに、奥までいっぱい、今井くんのおちんちん全部入れてほしいっ……んアッ」
ぬぷんっと、指が差し込まれる。
肉壁が、悦ぶように指に絡み付いた。
「こっちも、口ん中みたいにしゃぶりついてくんな」
「あっあっあっあんっ」
「チンコ突っ込むだけか? 突っ込んだチンコ、どうしてほしいんだよ?」
ぬちゅっぬちゅっと指で中を掻き混ぜながら、今井は尋ねてくる。
真は快感に上擦る声で、それでも愚直にも懸命に自分の望みを言葉にする。
「あっ、おちんち、で、中ぁ、あっ、擦ってほしいっ……奥、ずんずんってぇっ、いっぱいしてほし、んんっ」
「それから?」
「あんっ、なか、なかにぃっ、今井くんの、精液、出してほしいっ、あンンッ」
ぬぽんっと、指が引き抜かれる。
真は、「あと……」と言葉を続けた。
「まだあんのか?」
真のズボンと下着を脱がせる今井に、濡れた瞳を向ける。
「今井くんに、いっぱい気持ちよくなってほしい……」
「ッ……」
今井は虚を衝かれたように僅かに目を見開く。息を詰めて頬を赤くし、それから切羽詰まった手付きで真の体をひっくり返した。
「ひゃっ……!?」
突然のことに驚く真を四つん這いにさせ、今井は滾った欲望をアナルに押し付ける。
「クソッ、真のくせに、いつもいつも煽りやがって……ッ」
「アッ、んっんっ、はっ、あぁっ」
ぬぷ……っと、肉塊が後孔にめり込んでくる。
「めちゃくちゃに感じさせてやるからなッ」
「あっあっ、あ────ッ!」
ずぷぷぷっと、一気に奥まで剛直を押し込まれた。
胎内を満たされる快感に、真はぶるぶると全身を震わせる。
「ひあっあっあんっ、今井く、の、おちんちんで、いっぱいっ、なってるの、あぁっ、きもちぃっ、んひぁああっ」
「はっ、スゲー声……っ、そんなにチンコ気持ちいいかよっ」
「あはぁあんっ、んあっ、きもちいっ、おちんち、きもちいいよぉっ」
激しく腸壁を擦り上げられ、体育倉庫に真の嬌声が響き渡った。甲高い悲鳴に混ざり、ぐちゅぐちゅと卑猥な粘着音とぱんぱんと肉のぶつかる音が聞こえる。
快楽に溺れながらも、真は首を傾けて今井を見上げる。
「あっあっ、今井く、ンンッ、今井くんも、きもちいっ? 僕のなか、ぁあっ、きもちいいっ……?」
「っく……可愛いことすんな……ッ」
「ふぁっ……?」
「気持ちいいに決まってんだろっ」
「ひあぁあんっ」
強く腰を掴まれ、激しく内奥を穿たれる。
「いいからっ、お前はっ、気持ちよくなってろっ」
「はひんっ、んっあっあっあんっあっ」
前立腺を擦りながら繰り返される抽挿は、絶えず真に快楽をもたらし続けた。
ぺニスはとぷとぷと蜜を漏らし、今にも弾けそうだ。
真は慌てて自身の性器に手を伸ばした。きゅうっと、根本を指で押さえる。
気づいた今井が、真の手の上からぺニスを握り込む。
「あぁっ、触っちゃ、あっ、だめぇっ」
「なに我慢してんだよ。イきたきゃイけよ」
「んひっひあぁっ」
指でくりくりと鈴口を刺激され、真は手に力を込めて必死に射精をこらえる。
「らめ、らめなのっ、マット、汚れちゃ、からぁっ」
真はマットの上に四つん這いになっている。このまま精を吐き出せば、確実にマットが汚れる。皆が使うマットを自分の精液で汚すことはできない。マットの上でいかがわしい行為に耽っている時点でアウトだけれども。
「仕方ねーな」
今井は呆れたように溜め息を零し、ぺニスから手を離して真の両足を抱えて後ろに体を傾けた。
「ひあぁぁああ!?」
後背位から背面座位へと体位が変わり、違う角度から直腸を擦られ真は目を見開いて悲鳴を上げる。
剛直が自重で深く突き刺さり、痺れるような快感に襲われた。
同時に、陰茎を咥え込む肉筒が強く締まり、今井は低く呻く。
「っく、はあっ……きつ……ッ」
「ひあっあっあっああぁっ」
今井は背後から真のシャツを脱がせる。
「ほら、これでいいだろ」
そう言って再び真のぺニスを掴み、上下に擦り上げた。
「んにゃっ、あっあっあんっい、いっちゃ、ぁあっ」
「イけよ、俺のチンコ突っ込まれながら、イけっ」
「あんっあっあっ、~~~~っ!」
噴き出した精液が、真の胸元や下腹に飛び散った。
「っは、あーっ、スッゲー締め付け……ッ」
「ンあっあっ、いった、のにぃっ、なか、ずんずんされたら、またいっちゃぁっあぁっ」
射精して痙攣する腸壁を、今井はゆさゆさと腰を揺すって刺激した。
最奥をとんとんとんとんと小刻みに突き上げられ、真はまた絶頂へと追い上げられる。
「いくっ、いくぅっ、ンンッ、んっあ────っ」
内腿を激しく痙攣させ、真は達した。ぺニスから精液は吐き出さず、何度も絶頂を迎える。
「お前ん中、ぐっちょぐちょっ……チンコに吸い付いてくるし……ああ、ヤベッ……」
真の耳に、今井の熱い息がかかる。
敏感になった真はそれだけで感じてしまい、ぞくぞくと背筋を震わせた。
今井は真の膝にくぐらせた腕を伸ばす。そして真の胸に触れた。
「ひゃあんんっ、あっ、ちくびらめぇっ」
「ウソつけ、ビンビンに尖らせて、触られんの待ってたんだろっ」
精液に濡れた乳首を、指で挟んでぐりぐりと捏ねくり回される。
真は喉を反らせてよがり声を上げた。
与えられる快感が気持ちよすぎて、感じすぎて、頭がおかしくなりそうだ。
「んあっあんっ、きもち、いっ、今井くぅんんっ」
「ああっ、俺も、イイッ、お前ん中、スゲーイイッ」
内奥を突き上げる今井の腰の動きはどんどん速くなる。
彼が気持ちよくなってくれているのだと思うと嬉しくて、それがまた、真の快感に繋がる。心も体も、もたらされる悦楽に耽溺した。
「はあっ、く、出る、出すぞっ」
「あっあっひあっあぁっ、だしてぇっ、あっ、ひぅんっ」
「イくッ、ッ、────ッ」
「んああぁっ」
びゅくびゅくっと、精液を胎内に注がれる。
真は爪先をぎゅうっと丸め、精気で全身を満たされる快楽に酔いしれた。
全てを出し切り、今井は真の脚を下ろした。真の体を、後ろから強く抱き締める。
彼の腕にしがみつけば、顎を掴まれ、強引に唇を奪われた。
「んふぁっ……ンンッ」
唇を食まれ、差し込まれた舌に口腔内を掻き回される。
思う様貪るようにキスをしてから、今井が言った。
「……明日のバスケの試合、出てやるからしっかり応援しろよ」
「う、うんっ」
そういえば、今井が試合に出てほしかったらその気にさせろと言っていた。よくわからないが、どうやらいつの間にかその気になっていたようだ。
「とりあえず、明日に備えてしっかり準備運動させろよ」
「ひあっ……!?」
再び体積を増した男根で中を抉られる。
これが準備運動? 準備運動とは前日に行うものなのか?
疑問が沸き上がるが、止める間もなくまた激しい突き上げがはじまり、真の口からは意味をなさない喘ぎ声しか出なかった。
「明日の試合の為なんだから、最後まで付き合えよ」
「はひっ、あっあっあぁんっ」
こんなことをしたら逆効果なのではないだろうか。
そうは思ったが、真の思考はすぐに快楽に塗り潰される。
結局、今井が満足するまで抱かれ続けた。
ともだちにシェアしよう!