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第7話
来月からのテストには俺が客先に常駐することになっている。会議資料で俺の名前を見つけて、彼はとても楽しみだと思ったそうだ。
二人で話し込んでいたら、同僚が俺を呼びに来た。後で行く、とそいつを見送ると彼は吸い終わった煙草を灰皿に落として、
「実はこのまま今月中はこちらに滞在することになりました」
「そうなんですか?」
「ええ。開発遅れの対応に各所への調整役がいるだろうと、僕が残ることになったんです」
苦笑いの彼に、すみませんと頭を下げる。
「いえ、これも仕事ですから。管理チームはこのシステムの要ですからね。木崎さん、これからよろしくお願いします」
彼が右手を差し出した。俺は咥えていた煙草をスタンド灰皿に置いて差し出された彼の手を握る。体つきに似合わず、グッと力強く握ってくるその手は細くしっとりとして、なぜかとても冷たかった。
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