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第28話
アイツ、学生だったのか。道理で若い顔つきだと思った。
「でも、あの子には参ったよ。もう帰ってくれっていうのに居座られてさ。もう一回ヤらせろってうるさくて」
(それで今朝は来るのが遅かったのか)
「こっちはこれから仕事だから駄目って言ったら、なぜか逆ギレされてね。両手をネクタイで縛られて結局ヤられて遅くなったんだ」
(――ッ、はあっ!?)
のほほんと言う水無月に思わず声を荒げてしまう。
「なっ!? 水無月さんっ、そんなこと暢気に言うことじゃないだろっ!」
俺の怒鳴り声に水無月はキョトン顔だ。
「あんた、いつもそんな危ない目にあってんのかよっ」
「いや、いつもじゃないけれど。でもたまにSっ気の強い人はいるかな?」
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