37 / 140
第37話
(毎晩ケツの孔の危機に怯えながら過ごすだなんてどんな罰ゲームだよ……。それにこの部屋だって、ひとりで寝泊まりするには無駄に広いじゃないか?)
無理矢理、水無月に引き込まれたホテルの一室はビジネスマンが出張に使うシングルルームではなく、何とダブルベッドがどんと置かれた部屋だった。そうでなくても、何かと経費節減がうるさく言われているのに、こんな部屋に一ヶ月以上も社員の滞在を許すなんて、なんて太っ腹な会社なんだ。
連れ込まれたものは仕方がないと覚悟を決めて、早く寝ようとうるさい水無月をバスタブに張った熱い湯の中に押し込んだ。水無月は本当にカラスの行水で、もっとしっかり温まれという俺に一緒に入ろうとうるさかった。
「人には風呂に入れって言うのに君はワイシャツのままで寝るの?」
ともだちにシェアしよう!