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第39話
……うん? ちょっと待て。なぜ、それを悩む必要があるんだ? そんなの断るのが大前提じゃないか。大体、俺は女好きだろ? 男なんて抱けないだろうが。
それに彼はもしかしたら俺を抱きたいほうかも知れないんだぞ?
その思いつきにゾッとしてぶるんっと大きく体が震えた。しまった。水無月にバレたら、また何を言われるか……。
しかし予想に反して水無月からは何のリアクションも無い。やけに静かな水無月の様子に首を捻って後ろを振り返る。すると背中のほうから、スウスウと規則正しい寝息が微かに耳に届いた。
(寝てるよ……)
水無月は俺の体に腕を廻したままで気持ち良さそうに眠っていた。そういえば、廻された手も、ふくらはぎにべたりとつけられた足も、さっきのような冷たさはなくなって、じんわりと温かみを感じる。
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