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第43話

「木崎君、おはよう。よく寝ていたね」  声のした方へ視線を移す。そこには白いバスローブを来て、湯気の立つカップを持った水無月が窓辺に立っていた。 「あ……、えっと……」  俺は後ろ頭を掻きながら状況を把握しようと首を捻る。そんな俺に、 「ダブルベッドのど真ん中で気持ち良さそうに鼾をかいて寝ていたからさ。始発に合わせて起こすのは可哀想かなって思って」 (俺、寝ていたのか?)  確かに頭の痺れも落ち着いてきて、少しすっきりした感覚がある。でも、本当なら始発で家に帰って、シャワーを浴びて着替えてこようと考えていたんだが。  水無月が窓辺から離れると、机の上にあったもう一客のカップに湯を注いでベッドの上の俺に差し出してくれた。

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