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第50話
「だからさ、女の子好きで男に興味が無い、そしてとても温かい君はうってつけなんだよ。それに君にもメリットはあると思うよ」
「はあ? セクハラされることにどんなにメリットがあるって言うんすか?」
「まず、どんなに帰りが遅くなっても一時間もかけて自宅に帰らなくて済む。それに風呂も入れてベッドで横にもなれるし、朝食だってモーニングチケットで本格的なホテルビュッフェをたらふく食えるよ。僕は朝食は食べないからチケットはいつも捨てるか、湯たんぽ君達にお礼にあげているんだ」
(おい! 湯たんぽの待遇、良すぎだろっ)
でも、確かに冷静に考えると良いかも知れない。
自腹でタクシーで帰らなくても済むし、朝もギリギリまで寝ていられる。朝食だってグレード高めのシティホテルのビュッフェだ。いつも時間がなくて、あんパンに牛乳という張り込み刑事 みたいなもので朝飯を済ましている俺には天国だ。
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