59 / 140
第59話
彼は空いている左手で、胸の前でクロスしていた俺の右手を掴むと、「ここ」と自分の股間にバスローブの上から押しつけた。厚い布越しでも水無月のソコが存在を主張しているのがわかる。反射的に右手を引こうとした俺に彼は尚も、
「服の上からでもいい。早く触ってくれっ」
いつもと違う切羽詰まった命令口調に俺は戸惑いながらも、水無月の左手に誘(いざな)われた右手でその形を確認するように彼のモノを握りこんだ。
はぁ、と水無月が吐息を漏らす。だが、握ったのはいいがこの先どうすれば……。
弛く掴んだままで動こうとしない俺に痺れを切らしたのか、
「木崎君、そのまま手を動かして」
「動かせって……」
「イかせてくれって言っているんだ」
ともだちにシェアしよう!