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第59話

 彼は空いている左手で、胸の前でクロスしていた俺の右手を掴むと、「ここ」と自分の股間にバスローブの上から押しつけた。厚い布越しでも水無月のソコが存在を主張しているのがわかる。反射的に右手を引こうとした俺に彼は尚も、 「服の上からでもいい。早く触ってくれっ」  いつもと違う切羽詰まった命令口調に俺は戸惑いながらも、水無月の左手に誘(いざな)われた右手でその形を確認するように彼のモノを握りこんだ。  はぁ、と水無月が吐息を漏らす。だが、握ったのはいいがこの先どうすれば……。  弛く掴んだままで動こうとしない俺に痺れを切らしたのか、 「木崎君、そのまま手を動かして」 「動かせって……」 「イかせてくれって言っているんだ」

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