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第62話
それならばと俺は胸筋の僅かな膨らみしかない水無月の右胸を揉んでみた。水無月は気持ちが良いのか、喘ぐ声に甘さが加えられた。
時々、親指と人さし指で乳首を挟んでコリコリと動かすと、んあっ、と顎をあげ、ハアハアと水無月は吐息を洩らす。
顎をあげた水無月が少しだけ後ろを向く。その顔を見て、心臓がドキンッと跳ねた。
(なんてエロい顔をしてんだよ……)
薄く開けた目の縁を赤く染めて、艶々の唇を半開きにして頬を上気させている水無月の表情は、淫靡な空気に包まれたように霞んで見えた。またそれがいつもの彼とは違って、自分の心臓を騒ぎたてている。
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