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第75話

 その俺の態度に彼は、俺に自分のオナニーの手伝いを無理強いして機嫌を損ねたと勘違いをしている。  口元の湯飲み越しに水無月の顔を見つめる。さっきまで俺の様子を窺っていた水無月は、視線が合うと急に恥ずかしげに目を臥せた。  瞼を彩る長い睫が細微に震えている。こうして改めて見ると本当に綺麗な顔だ。  顎のラインから襟元へと続く細い首も滑らかだし、胸に触れた時のしっとりと吸い付く肌の感触とか、握り込む度にピクリと動いた熱い花茎の硬さとか……。  と、本人を前にして思い出していたら、またじわりと自分の股間が熱を持ちそうになって俺は慌てて頭を横に振った。  この邪念を早く振り払わないと、また会社のトイレでシコシコと自己処理をする羽目になる。

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