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第77話
「よう、木崎、お前も遅い昼メシだったのか」
水無月の後ろ、店の入口から入ってきた数人のサラリーマンの中の一人が笑いながらこちらに近づいてきた。丁度、水無月の横に立ち止まった人物を見上げて挨拶をすると、
「もしかして今から昼休憩っすか?」
「そうなんだよ。会議が長引いてさ、もう腹が減って死にそうだ」
苦笑いする佐竹さんに大変ですねと返事をする。佐竹さんと一緒に入ってきた数人は、少し離れた四人席に腰を落ち着かせたようだ。佐竹さんはその人達に、さば味噌定食頼んで、と大きな声で言うと、
「忙しいんだってな、木崎。いつもお前と飲みに行きたいと思っているんだが」
「佐竹さんこそ、先週まで客先と行ったり来たりでしょう? 俺も来週から現場に常駐なんですよ。ああそうだ佐竹さん、紹介します。こちらは今の案件のお客様で……」
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