80 / 140
第80話
俺が問いかけた質問を水無月は無視をして、佐竹さんは困ったような素振りをした。その時、昼食が揃ったと佐竹さんを呼ぶ声がした。
「ほら、早く皆のところに戻ったら? 木崎君、僕らも出よう。今朝のお詫びに奢るよ」
伝票を手に取り、席を立ってその場を去ろうとする水無月の腕を佐竹さんが咄嗟に掴んだ。
「馨、お前と話がしたい。今晩、会えないか?」
佐竹さんの突然の行動に呆気に取られている俺の前で、水無月はその手を振り払うと、
「僕は話すことはない。それに今はとても忙しいんだ」
ともだちにシェアしよう!