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第98話
俺はそのまま水無月の肩を庇うように手を添えるとホテルの部屋へと連れていった。いつものように彼を熱い風呂に入れて、そして二人でベッドに横になる。
今夜の水無月はずっと無言で俺の言うことを淡々と聴いている。寝るときも全裸ではなく、ホテルのバスローブを纏って遠慮がちに俺の隣に寝そべった。
一向に体を寄せてこない水無月に、
「ほら、いつもみたいに引っ付かないと手足が冷たくて眠れないだろ?」
シーツの下の右手を滑らせて水無月の左手を握った。ビクッと一つ反応したあとは、彼は冷たい手そのままにまるで凍ったように動かない。俺は水無月のほうへ体を横にすると、シーツごと彼を両手で抱きしめた。
「っ、木崎、くん……」
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