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第105話
「ええ。そのまま客先納品になりますし、次のフェーズは水無月さんは関係無くなりますからね。これでもう二度と彼がここに来る事はないですよ」
「最後に会いたかったよ。そうだ、今晩、四人で飲みに行かないか?」
大杉さんの何気無い提案に瞬間、場が静かになる。すると佐竹さんが、
「今夜は用事があるから無理だ」
「すみません。実はこっちも最後の追い込みが佳境でして」
本当はもう午前中のうちに粗方の作業は済んでいる。今日は定時に帰って出張準備をするつもりだ。
そして――、多分、今夜があれを確かめる最後のチャンスだ。
残念だなあ、と言う大杉さんにもう一度詫びを入れて、新しい煙草を咥えた。すると、
「懐かしい銘柄吸ってんな」
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