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第119話
なんの気負いもなく言った俺の台詞に佐竹はポカンと口を開いた。そのだらし無い不抜けた顔を睨みつけると、
「という事だから、そろそろ出て行ってくれますか。それとも、これから俺達が愛しあうところが見たいですか?」
ベッドの上で水無月の肩を抱き寄せた。
彼もうつむき加減ではいるものの、俺の胸に体を預けて佐竹の様子を覗っている。
佐竹はそんな俺達に何かを言おうと口を開きかけたが、すぐに唇を真一文字に結び直すと黙って部屋を出て行った。
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