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第127話
水無月を抱き寄せて、すん、と右耳の下に鼻を押しつけて匂いを嗅ぐ俺に、
「ま、待って木崎君。今、僕の事を馨って呼んだ? それに理想って……」
「俺の理想は清楚で大人しいけど芯のしっかりした黒髪の子なんだ。まあ、茶髪のふわふわも可愛いけど」
ボディソープの甘い香りが体温で温められて霧散していく。俺はそれを深く鼻腔に吸い込んで長く息を吐き出しながら、衿元を割って彼の素肌の胸に舌を這わせた。
「馨、とても温かい」
ツンと固くなっている乳首の先をちろりと舐める。ふぁ、と何とも奇妙な声をあげて、
「だ、から、どうして馨、って……」
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