3 / 28
第3話 オカズになりそうな光景 <Side 阿妻
3ヶ月前に、手に入れた。
体育教師の近堂 に思いを寄せる数学教師の浦田。
近堂が、しくったのだと思っていた。
単なる偶然だと、思っていた。
真っ黒な短髪の頭にジャージ姿のいかにも体育教師という格好の近堂。
その身体は引き締まり、マッチョとまではいかないまでも、服の上からでもわかる逞しさがある。
キリッとした顔立ちは、理路整然と暮らしているような真面目な堅物感を人に与えるが、既婚者でありながらも浦田との不貞を楽しむろくでなしだ。
体育の授業をサボったオレは帰り際に、当直の近堂に呼び出されていたコトを思い出し、宿直室に赴いた。
呼び出したのは、近堂だ。
それなのに……。
宿直室の扉は、きっちりと閉じられておらず、まるで“どうぞ聞いてください”というように数ミリの隙間が空いていた。
「だ、め…。見られ、ちゃう」
扉の隙間から漏れ聞こえた浦田の声。
「思ってねぇクセに。見られた方が興奮すんだろ?」
くつくつと笑う近堂の声が重なる。
宿直室の扉には、中を覗ける窓がある。
そこには真っ黒なカーテンが引かれているが、それも端の数センチが空いている。
“どうぞ覗いてください”と言わんばかりだ。
オレは興味のままに、その隙間から中を覗く。
壁に縋りついている浦田の顔が見えた。
浦田が履いていたであろうスラックスと下着が、所在なさげに床に放られている。
背後に腰を突き出すような格好を取らされている浦田の下半身と、近堂の身体が繋がっている。
近堂の爽やかそうな見た目とは裏腹な、使い込まれているであろう赤黒いペニスが、ピンク色に染まる浦田の身体の中へと挿し込まれている。
オカズになりそうなその光景に、オレは撮影を始めた。
ともだちにシェアしよう!