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第5話 新しいオモチャ
翌日、教職員用のトイレの前で、近堂を捕まえた。
映像を再生し、近堂の眼前へと掲げた。
重なるように響く、ぐちゅぐちゅと聞こえる湿った音と、浦田のエロい喘ぎ声。
近堂は焦った様子もなく、無言でオレをトイレへと引き込んだ。
「センセーに呼ばれたから行ったのに、こんなん撮れちゃった?」
まぐわう2人の映像を流し、近堂に見せつけながら首を傾げた。
この映像で浦田を脅し、股を開かせようと思った。
でも、先に近堂を黙らせるコトにした。
校内で教師同士がセックスするのも問題だし、何せ近堂は既婚者だ。
これは歴 とした不貞行為に当たる。
「お前も知っての通り、金はねぇぞ?」
驚きも、怯えもない。
予測通りだとでもいうように、開き直りの空気を纏った近堂は、つらっと言葉を紡ぐ。
「金じゃねぇの。この言葉、本気 もん?」
本気で浦田を好きなのなら、近堂すらも食えるんじゃないかと、期待した。
鼻につく大人の余裕。
高々と掲げられるその鼻をへし折り、跪 かせたい。
可愛くはないが、虐めがいはありそうだと、にまりと笑む。
「マジなわけねぇだろ」
はっと鼻で笑った近堂は、浦田を簡単に切り捨てた。
近堂の言葉は、その場を煽る形だけのものだった。
なんだ、単なるオモチャか。
「じゃあさ、このオモチャ、オレにも貸してくんない?」
断れる筈などない。
返答は、イエスしか有り得ない。
オレのお願いに、近堂はにんまりと笑う。
「お前もスキモノだなぁ? ま、お前のヤリチンぶりは、有名だもんなぁ」
くつくつとした笑いを漏らしながら、近堂は言葉を繋ぐ。
「“好き”って言ってやれば、ユルい孔がきゅってなるよ。あと、露出の気、あんじゃねぇかな? ホテルより、誰に見られるかわかんねぇ学校の方が、エロく乱れてくれるわ」
にたにたと下衆な笑みを浮かべながら、浦田の情報を提供してくる近堂に、“共有OK”だと解釈した。
「あんがと。じゃ、さっそく堕としてくるわ」
2人のセックス動画が流れるスマートフォンを振りながら、浦田の元へと向かった。
「オレにもヤらして?」
同じように映像を流しながら紡いだ言葉に、浦田は簡単に股を開いた。
今思えば、これは偶然じゃない。
近堂の策略に、他ならない。
露出狂の気のある浦田に、近堂がビビった結果だ。
面倒を見きれなくなった浦田を、オレたちにも喰わせ、片棒を担がせようという魂胆だろう。
まぁ別にいい。
オモチャが増えたんだ、オレには喜ばしい罠だった。
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