玩具を、前立腺を抉り上げた状態で固定し、ペニスをずぷりと押し込む。 「奥、だめぇ……」 　コツコツと結腸への壁を小突くオレに、雪野が拒絶を示す。 「は？」 　イラつく感情のままに、ギリギリまで押し込んだペニスで、先端に感じる壁を、細かに突っつく。 　亀頭に感じる柔らかくうねり始める内壁に、そわりと嗜虐の思いが背を駆け上がる。 「ゃ、ぁ、ぁあんっ…、はぁ、ぁん…っ、出て、こない、……か、らぁっ…ゃ、……な、のンッ…」 　注がれた精液が溢れて来なければ、熊原を煽るコトは出来ない。 　雪野がオレに抱かれるのは、あくまで熊原に抱かれるための前準備であり、本命ではない。 　熊原を煽るための道具として使われるオレ。 　でも、怒るほどでもない、取るに足らないコトだ。 　オレは、性欲を解消できれば、それでいいのだから。 　割り切っているはずなのに、消化できない苛立ちは腹底に燻る。 　ずぼずぼと好き勝手に雪野の中を貪り、吐き出す手前でペニスを抜き去った。 　ずるりと引き出したペニスと共に、玩具も吐き出され、床に転がる。 　精液を放とうと、びくびくと蠢く先端を雪野の顔に向ける。 　ぬるつくペニスを手で扱き、雪野の顔を目掛け、射精した。 　顎から頬、鼻の頭にまで飛び散ったオレの精液が、雪野の顔を汚した。 「なっ………」 　予想外の顔射に、雪野が苛立ちの声を上げる。 　一度で吐き出しきれなかった精液が、顰めっ面の雪野の顔に、びゅるっと飛び散る。 　オレがつけたマーカーを上書きするコトに拘る熊原だ。 　顔ばかりを汚したところで、熊原は雪野を抱かない。 　少量の液を吐き続けるペニスを、ゆるゆるにぬかるんだ孔へと戻した。 　入り口付近にも、びゅるびゅると溢れる精液を塗りたくる。 「これで、いいんだろ？」 　襞の間に塗り込めるように擦りつけ、ペニスを抜いた。 　離れるオレに、身体を起こした雪野は、横で延々と腰を振りたくっている熊原に瞳を向けた。 　精液の青臭い匂いを纏ったままに、熊原の真横で大胆に足を開く雪野。 「熊原、こっち。ここ、いれて？」 　指を挿れ、ぐちゅぐちゅと音を鳴らし、熊原を誘惑する。 　塗り立ての精液に反応するように、熊原はあっさりと浦田から雪野へと乗り換える。 　熊原にはきっと、浦田よりも雪野の中の方が居心地がいいのだろう。 　多少緩くても、熊原の太さならば問題ない。 　嫌がり泣きかながら抱かれる浦田より、とろとろに蕩けた瞳で素直に快感に溺れる雪野の方が、好きなんだ。