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第31話 調子に乗りました

 だから心配したんだ......  ガタガタッと玄関で何かが崩れ落ちる音がして、居間で眠っていた僕はビックリして布団から飛び起きた。すると、開き戸の向こうに小金井さんの姿が映り、足を引きずるようにして二階へと上がって行く。 .......飲み過ぎないでって、云ってるのに...........  台所に行くと、冷蔵庫から水を出してコップに注ぎ氷を入れる。 それからタオルを水で濡らして絞ると、両手にそれらを持って二階にあがって行った。 「小金井さん、入りますよ....」  ドアを開けて中へ入ると、既にベッドの上で大の字になった小金井さん。 髪の毛は解かれて、ゴムが床の上に落ちている。そして何故かチノパンの片方の足だけを脱いだ格好で止まっていた。 「あー、あー、あー、もう........」  聞こえる様に声を出すと、コップとタオルをベッドサイドのテーブルに置いた。 「着替えるならちゃんと脱いでくださいって!」  云いながら片方の足も引き抜くと、下着姿で転がした。 シャツも脱がせて半裸にすると、一応布団をかける。でも、一向に起きる気配がなくて。 今夜は相当飲んだに違いないな。オーナーも一緒だし多分いつものゲイバーだろうな。  あそこのママは美容室で一度見たが、なんていうか......... K-1の選手が厚塗りの化粧をしているみたいだった。小金井さん、無理やり飲まされたんだろうな........。  う~ん、と云って寝返りをうつと、僕の方を見たが直ぐにそっぽを向かれて、ちょっと腹がたった。僕が心配しているっていうのに..... 「小金井さん、水、飲みますか?」 「..............」  返事はない。  仕方ないので、持ってきたタオルで顔を拭いてあげる。 髪の毛も絡まない様に撫でると、気持ちよさそうに僕の手に頬ずりをした。  胸の鼓動が徐々に高鳴ったみたいで、頬ずりされながら小金井さんのくちびるに指を伸ばすと、そっとなぞってみた。 顎の髭が邪魔で、チクチクと指に当たって痛い。でも、唇は柔らかくて。  僕の中に悪戯心が芽生えてくると、小金井さんに掛けた布団をめくり自分の身体を押し込んだ。ヒヤッとした肌の感触。あの日以来触った事のない小金井さんの身体。  僕は足元に潜り込むと、小金井さんの下着に手を掛ける。 太腿迄下げたが、特に反応は無い。酔っているから気が付かないんだ。 益々調子に乗った僕は、小金井さんのものを手に納めるとゆっくり揉み解した。 「ん、...........」  ちょっと声が出ると、僕は楽しくなってしまい手に力を入れて扱く。 柔いものは段々と硬さを増してきて、眠っているのに不思議だったが面白くてそれをそっと口に入れてみた。  小金井さんのものは、体型に比例して細い様に思う。でも、しっかり反り返って形はいい方だと思った。僕が見た中では一番きれいな形をしてて、今日初めて咥えてしまったが、やっぱり思った通り喉奥まで届く。  夢中になって小金井さんのものに舌を這わしていると、ビクッと身体が揺れて一瞬で目が合った。股間に顔を埋める僕に小金井さんが「な、にしてんだ」と訊く。 「.....フェラ、.....」  そう答えると、驚いた様に目を見開いた。

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